前回のWeek2では、仕事の優先順位と手放せる業務を見直し、時間の使い方を整理しました。
Week3では、そうして生み出した時間をムダにしないために、無意識のうちに定時退社を遠ざけている習慣に目を向け、意図的に変えていきます。
たとえば周囲のペースに合せてダラダラ仕事を続けたり、惰性で会議に出たりしていないでしょうか?
「いつも通り」に流されるのではなく、自分で「終わらせ方」を決める習慣づくりにチャレンジしましょう。

【Week3】では、習慣改善(行動の最適化)をおこないます。
チャレンジの概要は以下のとおりです。
目的:日々の無意識の習慣や行動を見直す
内容:
- 非効率な習慣の見直し
- 明確な定時退社アクションの習慣化
STEP1:無意識の「残業習慣」をあぶり出そう
目的
このステップの目的は、定時で帰れていない原因を、「仕事の量」ではなく「習慣」の側面から見つけ出すことです。
定時で帰れない理由を「仕事が多いから」と感じている方は多いかもしれません。
しかし実際には以下のように、自分でも気づかないうちに染みついた「残業が前提」の行動パターンが影響していることが少なくありません。
- 特に理由もなく毎日19時半までは会社にいる
- 同僚が残っているから帰りづらい
- 今日じゃなくていいけど何となく今日やっておく など
まずは、自分自身の1日の動きや思考パターンを振り返りましょう。
そして、「本当に必要な残業だったか?」「もっと早く切り上げられなかったか?」を客観的に見直すことが大切です。

残業を前提としない働き方へと切り替える第一歩として、こうした無意識の習慣に気づくことがこのステップの狙いです。
やり方
以下のような「ダラダラ」や「ムダなこと」をやっていないか、自分の行動を振り返ってみましょう。
- 会議が終わった後も、なんとなく席に残っている
- タスクが終わっても、SNSを見たり、メールを何度も確認してしまう
- 終業30分前に、つい新しい作業を始めてしまう
こうした行動が日常化していると、気づいたら19時、20時……となりがちです。
仕事が終わらないのではなく「終わらせていない」だけかもしれません。
ポイント
行動を日報やメモに簡単に記録するだけでも、無意識のクセに気づけます。
できれば1週間分を振り返って、「無駄な時間」や「だらだらタイム」を可視化してみましょう。
STEP2:「終わりの時間」を先に決めておこう
目的
このステップの目的は、終業時刻を基準に、仕事を逆算して動く感覚を身につけることです。
終わりの時間があいまいなままでは、人はつい仕事をダラダラと続けてしまいがちです。
「あと少しだけ」「キリのいいところまで」と先延ばしするうちに、気づけば退社時間が大幅に過ぎている方は少なくありません。
あらかじめ「何時にパソコンを閉じる」と決めておくことで、時間を意識しながら業務に取り組むようになり、自然と集中力や効率も高まります。

ゴールを設定することで、時間を有限の資源として扱う習慣をつくることが、このステップの狙いです。
やり方
以下のように、「終わらせる時間」を先に決め、それに合わせてタスクを設計します。
- 17:45にはパソコンをシャットダウンする
- 18:00に退社するため、17:00以降は重い作業をしない
- 会議は「◯分で終わらせる」と冒頭で宣言して始める
【例:逆算スケジュールの立て方】
時間 | 内容 | 意識すること |
---|---|---|
16:30〜17:30 | 重要タスクの仕上げ | 集中してやりきる |
17:30〜17:45 | メールチェック・片付け | 次の日の準備をしながら締めに入る |
17:45〜18:00 | パソコン終了・帰る準備 | 強制的に“終業モード”に切り替える |
ポイント
「あと少しだけやろう」は残業の元です。
終わりの時間をあらかじめ決めることで、時間への意識がグッと高まります。
STEP3:「1日の終わらせ方」をルーティンにしよう
目的
このステップの目的は、定時で帰るための終業ルーティンを自分の中に定着させることです。
朝に身支度のルールがあるように、1日の終わりにも「こうしたら仕事を終える」という一連の流れを決めておくと、気持ちに区切りがつきやすくなります。

ルーティン化することで、「なんとなくダラダラ続けてしまう」残業を防ぎ、仕事にメリハリと終わりをつくることができます。
やり方
終業30分前になったら、以下のような行動を固定ルーティンにしましょう。
- 翌日のタスクを簡単にメモする
- デスクの整理整頓をする
- 最後のチャット・メール返信をまとめて済ませる
- タスク管理ツールのチェック・更新を行う
- 「定時退社ボタン」を心の中で押す など
ポイント
ルーティン化することで「もう仕事は終わり」という気持ちの切り替えがしやすくなります。
初めは意識的にやらないと難しいですが、続けていると自然に「帰るスイッチ」が入りやすくなります。
まとめ:定時退社は「習慣の再設計」で実現できる
定時退社を阻む要因は、業務量だけでなく習慣に潜んでいることが多くあります。
まずは「だらだら時間」や「何となく参加している会議」など、自分の行動を可視化し、終業時間から逆算して行動する感覚を身につけていきましょう。
小さくても「終わり方のルール」を決めておくことで、仕事にメリハリが生まれ、定時退社がグッと現実的になります。
次回のWeek4では、周囲とのコミュニケーションを通じて、よりスムーズに定時退社を実現する方法に取り組みます。