社会人になって勉強を始めようとしたものの、日々の仕事や家事に追われ、「時間がない」「疲れてできない」と挫折してしまう方は少なくありません。しかし、忙しい日々の中でも勉強を習慣にできれば、資格取得やスキルアップ、副業などやりたいことを実現できる力になります。
私自身も10年間の会社員時代にはフルタイムで働きながら勉強を続け、社会保険労務士や簿記、秘書検定、FPなど、仕事に役立つさまざまな資格を取得しました。フリーランスになった今でも、英語や歴史など教養を磨くための勉強を継続しています。
この記事では、社会人になってからの20年間で試行錯誤しながら身につけた「勉強する習慣を作るコツ」をわかりやすく解説します。 忙しくても無理なく続けられる方法を知り、勉強を当たり前にしていきましょう。
【結論】勉強を習慣化するコツは「小さく始めて仕組み化すること」
勉強を習慣化するために一番重要なのは、意志に頼らず、環境と仕組みを整えることです。
勉強を習慣にしたいと思っても、なかなか続けられないという人は多いものです。その理由の多くは「やる気が出ない」「忙しい」「つい後回しにしてしまう」といったものでしょう。しかし、それらは意志の力に頼りすぎているからこそ起こる現象です。
ポイントは、やる気が出たときにやるのではなく、自動的にやる流れを作ることです。この考え方を取り入れることで、誰でも無理なく勉強を習慣にできます。
次の章から紹介する7つのコツを実践すれば、確実に勉強を続けられるようになります。
コツ1.目標を小さく設定する
習慣化の第一歩は「小さく始める」ことです。
多くの人は「1日2時間勉強しよう」などといきなり高いハードルを設定してしまいますが、それでは挫折の原因になります。
最初は「1日5分だけ」「英単語1個覚えるだけ」など、思わず笑ってしまうくらいの小さな目標から始めてください。小さな成功体験を積み重ねることで、次第に勉強するのが当たり前になります。
たとえばYouTubeで英語の動画を1分だけ視聴する、読書なら1ページだけ読むなども効果的です。
大事なのは「やらない日をなくすこと」です。目標が小さいほど達成しやすく、自然と習慣になります。
コツ2.時間と場所を固定する
勉強を続けるためには、決まった時間と場所でやることも有効です。
これは「トリガー(きっかけ)」を作るためです。「この時間になったら勉強する」「この場所では勉強しかしない」といったルールを作ることで、自然と行動に移せるようになります。
たとえば「朝コーヒーを飲んだ後に10分だけ英単語を覚える」と決めておくと、脳が「コーヒー=勉強」と認識するようになります。
勉強専用の場所を作ることも有効です。リビングの一角でも構いません。視覚的にも「ここでは勉強する」と決めておくことで、集中力が高まります。
コツ3.先に「勉強する理由」を明確にする
そもそもなぜ勉強したいのか、その理由が明確でないと続けるのは難しいものです。漠然と「勉強しなきゃ」と思っているだけでは挫折してしまいます。
おすすめなのが、勉強する理由を紙に書き出すことです。
- 転職して年収を上げたい
- 将来独立するために知識を増やしたい
- この資格を取って副業収入を得たい など
このような、自分の心からの動機を見つけることが大切です。理由がはっきりすれば、「面倒だな」と思ったときにも踏ん張れる力になります。
この紙はあとで見返せるように取っておきましょう。これは、「自分の目的に立ち返れる仕組み」です。
コツ4.スマホ依存を防ぐ環境を作る
勉強中に一番の邪魔になるのがスマホです。通知音が鳴るたびに集中が途切れてしまい、「ちょっとだけ」と思って触ったら30分経過……なんて経験は誰にでもあるはずです。
これを防ぐために、勉強するときはスマホの通知をオフにする、あるいは機内モードにするのがおすすめです。
SNSなどをどうしても見てしまう人はアプリ制限機能を活用しましょう。iPhoneやAndroidに標準で搭載されています。勉強用のアプリだけを許可する設定にしておくと、誘惑に負けにくくなります。
自分の集中力を守る環境を先に整えておくことが大切です。
コツ5.やる気が出ないときの対策をもっておく
勉強が習慣になってきても、今日はやる気が出ないという日は必ずあります。
そのときに役立つのが「1分だけ始める」という方法です。「1分だけ問題集を開く」「1分だけ英単語を見る」など、ほんの少しの行動を起こすだけで構いません。
不思議なことに、人は行動を始めると気持ちが後からついてきます。1分だけのつもりが5分、10分、集中力が高まって1時間が経っていたということはよく起こります。
ほかにも、「人間はやる気がでないときがある」ことを前提に、やる気がでないときの対策を複数もっておくのがおすすめです。
わたしの場合、たとえば漢検の受験時にやる気がでなかったときは、漢検用のゲームソフトを使って問題をやっていました。気軽に遊び感覚で取り組めたので、やる気がないときもできました。歴史の勉強のやる気がでないときは、歴史漫画を読んでいます。

どんな形でもいいので、勉強から完全に離れずに触れ続けることが大切です。
コツ6.勉強が楽しくなる工夫をする
楽しくないことは続かないというのは、習慣化の基本です。勉強を少しでも楽しいものにする工夫を積極的に取り入れましょう。
たとえば好きな音楽を流しながら勉強するだけでも気分が変わります。勉強仲間を作って一緒に取り組むのもよいでしょう。わたしの場合、英語が得意な友達と遊ぶときには、クイズ感覚で英語の問題を出してもらっています。
勉強管理アプリを使って達成感を得ることも効果的です。ゲーム感覚で取り組めるアプリも多く、モチベーションの維持に役立ちます。
YouTubeには「一緒に勉強しよう」系の動画がたくさんあるので、好きなYouTuberの動画と一緒に勉強するのもいいですね。
コツ7.成果を可視化する
モチベーションを維持するためには、成果を見える化することが重要です。人は進歩が見えないとやる気を失いがちだからです。
おすすめは、連続記録をつけることです。カレンダーや手帳に〇をつけるだけでも構いません。これを続けると「途切れさせたくない」という心理が働き、自然と続けられるようになります。
たとえばわたしは英語の勉強でDuolingoというアプリを使っていますが、勉強を毎日やると連続記録がカウントされていくので、記録が伸びるのが楽しみで習慣化の後押しになっています。
成果が積み重なる様子を見ることで「わたし、意外と頑張ってるな」と実感できるのがポイントです。
勉強習慣の作り方でよくある質問(FAQ)
Q. どうしても続けられないときは?
「どうしても続けられない」と感じる場合は、目標設定が高すぎる可能性があります。もう一度「1分だけ」「1個だけ」など、とことん小さく設定し直してみましょう。
それでも難しい場合は「やらなくていい」と割り切る日を意識的に作るのもありです。完璧主義になると逆に習慣化が難しくなるので、「できない日があってもOK」と自分に許可を出すことが大切です。そしてまた次の日から始めればいいのです。
挫折しても「やり直せる」と思えることが習慣化のコツです。
Q. モチベーションが上がらないときはどうする?
モチベーションが下がってしまったときは、最初に書き出した「勉強する理由」をもう一度見返してみましょう。
それでも気持ちが上がらない場合は、環境を変えるのが有効です。カフェや図書館など普段と違う場所で勉強するだけで新鮮さが戻ります。
勉強の方法そのものを変えてみるのもおすすめです。いつも読書なら音声教材に変えてみる、動画で学ぶ、など手法を変えることで飽きを防げます。変化を取り入れることで再びやる気が湧いてくるはずです。
Q. 何から始めればいい?
何から始めればいいかわからない場合は、とにかく「1分でできること」を探しましょう。英単語1個、YouTubeで1分の勉強動画視聴、メモ帳に勉強内容を1行だけ書く、など何でも構いません。始めることが大事なので、内容にこだわりすぎないことがポイントです。
また、「目的がはっきりしない」という人は、まず「なぜ勉強したいのか」を考えるところからスタートしましょう。理由が見つかれば、やるべきことも自然と見えてきます。
まとめ
勉強を習慣化するための最大のポイントは「小さく始めて仕組み化すること」です。意志の力に頼らず、自然と行動できる環境や流れを作っていくことが成功の秘訣です。今回紹介した7つのコツを意識すれば、誰でも無理なく勉強を続けることができます。最初の一歩は「1分だけ勉強すること」であっても、その積み重ねがやがて自分の人生を大きく変えていくはずです。