もう「えらいママ」やめない? 仕事と家事の両立を前提にしない生き方

習慣

「仕事も家事も育児も、全部うまくやっててえらいね。」

そんな言葉に、なんとも言えないモヤモヤを感じたことはありませんか?今や女性の社会進出は当たり前と言われる時代になりました。しかし現実には、家事や育児の負担は女性に偏りがちで、「両立」が女性にだけ求められているような空気すらあります。

本来、人生の選択肢はもっと自由でいいはずです。「両立できるか」ではなく、「両立を前提にしない」という生き方を選ぶことで、心の余裕や自己肯定感を取り戻すことができます。

この記事では、「仕事と家庭を両立しなければならない」という思い込みを手放すための考え方や工夫、そこから得られるメリットについて解説します。

あんず
あんず

この記事はこんな方におすすめです。

  • 仕事と家事・育児の両立に疲れを感じている方
  • 「両立できて当たり前」という空気に押しつぶされそうな方
  • 家事や育児を完璧にこなさなければと思っている方
  • 周囲に頼ることに後ろめたさを感じている方

「両立」を強いられる女性の現実と問題点

仕事と家庭のどちらも大切にしながら両立することが、まるで当たり前のように求められる女性たち。しかし現実には、片方だけでも大変な役割を同時に担い続けることは容易ではありません。

周囲からの期待や無意識の思い込みが、知らず知らずのうちに女性たちに大きなプレッシャーを与えているのです。

ここでは、そんな「両立」の重圧に直面する女性たちの現実と、それがもたらす課題について解説します。

家事育児の負担は女性のほうが多いという現実

現代では男女平等が叫ばれ、女性の社会進出も進んでいますが、家庭内での家事や育児の負担は依然として女性に偏っているという現実があります。

令和3年社会生活基本調査「男女、行動の種類別生活時間」によると、「家事関連時間」は5年前と比べて若干男性が増加しているものの、圧倒的に女性が担う時間が多いです。

  • 2016年男性→0.44時間 2021年男性→0.51時間
  • 2016年女性→3.28時間 2021年女性→3.24時間

参照元:総務省|令和3年社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果

これは、女性が仕事から帰宅したあとも、第二の仕事として家事・育児に追われているという状況を意味しています。

こうした偏りは、無意識のうちに女性がやるべきこととして根付いてしまっており、見直されるべき社会的課題です。

仕事+家庭という負荷の増大が女性の疲弊を招いている

仕事と家庭の両立が求められる中で、どちらも完璧にこなそうとする女性が多くいます。

その結果、常に時間に追われ、心身ともに疲弊してしまうケースが少なくありません。

育児においても、子どもの発達や教育への関心が高まる一方で、情報の洪水にさらされ「もっとやらなきゃ」という焦燥感が増していきます。

結果的に、キャリアも家庭も中途半端に感じてしまい、自信を失うという悪循環に陥ることも多々あります。こうした状況では、いくら努力しても報われないと感じてしまうのも無理はありません。

「両立できてえらい」はプレッシャー

「仕事と家事を両立できてえらいね」「よくがんばってるね」といった言葉は、一見すると称賛のように見えますが、受け取る側にとってはプレッシャーとなる場合があります。

「えらい」と言われ続けると、休むことや手を抜くことが「悪いこと」として感じられ、つい無理をしてしまうのです。

また、こうした言葉は「両立できることが当然」「努力すればできるはず」といった前提を強化してしまい、できない自分を責める要因にもなります。

結果として、完璧を目指すあまり、心身に支障をきたす女性が少なくありません。これは、称賛の裏に潜む「頑張り続けることの強制」といえるかもしれません。

「両立しない」ってどういうこと?

「両立しない」という言葉に、驚いたり不安に感じたりする方もいるかもしれません。この記事で伝えたいのは、「仕事か家庭のどちらかを諦める」という極端な選択ではありません。

そうではなく、すべてを完璧にこなそうとしないという考え方です。

多くの女性は、「仕事も家事も育児も、きちんとやるのが当たり前」という無言のプレッシャーの中で日々を過ごしています。しかし、それによって心身が疲弊し、笑顔を失ってしまっては本末転倒です。

この記事でいう「両立しない」は、仕事と家庭の両方を一人で抱え込まず、自分にとって無理のないバランスを見つけようとする姿勢を意味します。たとえば、フルタイムにこだわらず働き方を変えてみる、家事を外注してみる、パートナーや周囲の人にもっと頼ってみるといった柔軟な選択肢がその一部です。

あんず
あんず

すべてを完璧にやるのではなく、「どこに力を入れて、どこを手放すか」を自分で決める。そのような主体的なスタンスこそが、無理のない暮らしと、自分らしい生き方につながっていきます。

「両立しない」を支える工夫とアイデア

両立が当たり前のように語られる社会において、両立しないという選択は勇気がいるかもしれません。しかし、それは投げ出すことではなく、自分らしく生きるための再設計です。

ここでは、仕事と家庭の両立を前提にしないライフスタイルを支えるための実践的な工夫とアイデアをご紹介します。

1.働き方を見直す

まず、週5日フルタイム勤務が当たり前という価値観から一度離れてみましょう。

週3日のパート勤務、時短正社員、在宅ワーク、フリーランスなど、今の時代は働き方の選択肢が多様化しています。こうしたスタイルに切り替えることで、通勤や業務のストレスを軽減し、自分や家族との時間に余裕が生まれます。

また、転職や副業、資格取得などにより、収入源を分散させることで、フルタイムに頼らない経済的な自立も可能です。

さらに、期間限定の仕事やプロジェクト単位の働き方を選ぶことで、生活リズムに合わせた柔軟な選択がしやすくなります。

経済的余裕が選択肢の幅を広げ、結果的に「両立」のプレッシャーから自分を解放することにつながります。

2.家事・育児の完璧主義をやめる

毎日掃除を完璧にし、栄養バランスの取れた手作りの食事を毎食用意する……そんな理想を手放すことから始めましょう。

家事や育児に対して「100点満点を目指さなくてもいい」という意識が、心の余裕を生み出します。

外食や宅配サービスの活用、冷凍食品や家電の力を借りることで、家事の負担を大幅に減らすことが可能です。

育児も、完璧なスケジュールや教育ではなく、子どもと向き合う時間の「質」を意識することで充実感が得られます。

完璧を求めすぎると、自分のキャパシティを超えてしまい、ストレスが蓄積されていきます。ゆるく構えることで、自分の心身の健康を守ることにもつながります。

3.家族や外部サービスに頼る

パートナーに対しては、「言わなくてもわかるでしょ」ではなく、「具体的にお願いする」というスタンスが重要です。

  • 洗濯物をたたんでくれると助かる
  • 子どもを○時にお風呂に入れてほしい など

このように役割を明確に伝えることで協力を得やすくなります。

また、家事代行やベビーシッター、地域の子育て支援サービスなど、外部の力を活用することで精神的・時間的負担がぐっと軽くなります。

これらの選択肢を甘えと感じるのではなく、家族のチーム化として捉え直すことが大切です。

頼ることが日常になると、自分が全部やらなきゃという思い込みから解放され、自己肯定感も自然と高まります。

4.生活リズムや価値観をシンプル化する

やることを詰め込むのではなく、やらないことを決める。それだけで日常は驚くほどラクになります。

「今日は何をやらないか」を意識し、スケジュールや家事タスクを減らすことで、余白のある暮らしが実現できます。

家事もルーティン化することで迷いや手間が減り、気持ちに余裕が生まれます。

また、「必要なものしか持たない」「人付き合いを見直す」といったミニマリスト的な思考を取り入れることで、物理的・精神的なスペースを作り出すことが可能です。

複雑さを減らし、暮らしにゆとりを持たせることが、両立しない生き方を後押しします。

5.情報や社会的プレッシャーから距離を置く

SNSやネットメディアは、便利な反面、自分と他人を比較してしまう大きな要因でもあります。

毎朝SNSをチェックする習慣をやめるだけでも、心の静けさが取り戻せます。

また、スマホの通知をオフにしたり、情報アプリを削除したりすることで、意識的に情報を選ぶ姿勢が養われます。

「他人は他人、自分は自分」と割り切り、自分にとって本当に必要な情報だけを取り入れることで、日々の判断力も高まります。

情報の洪水から距離を取り、自分のリズムを守ることは、現代における大切なセルフケアの一つです。

両立を手放すことで得られるメリット

「家庭も仕事もどちらも完璧にこなさなければ」と気を張り続けるのは、心身にとって大きな負担になります。そんな中で、両立することを一度手放してみると、自分自身にも、周囲の人にも、思いがけないよい変化が訪れることがあります。ここでは、両立を手放すことで得られる3つのメリットを解説します。

家族との関係性がよくなる

時間的、精神的に余裕が生まれることで、家族との関係性にも好影響が出ます。イライラしたり、焦ったりする時間が減り、笑顔で向き合える時間が増えるからです。余裕がある自分でいることが、家族全体の空気を穏やかに保つことにつながります。

また、心の余白ができると、家族一人ひとりの気持ちにも気づきやすくなります。会話が増え、信頼関係も深まります。

結果として、家族のなかで助け合える関係が自然と育っていきます。

仕事の質が向上し、効率よく稼ぐことが可能になる

時間や体力の余裕があれば、集中力や創造力も高まります。その結果、限られた時間の中でも高い成果を出すことができるようになります。

また、自分の得意分野や強みを活かすことで、より専門性の高い仕事に注力できるようになります。

フリーランスや副業などの雇われない働き方なら、「量より質」で価値を提供することで、効率的に収入を得ることも可能です。

無理をしなくても選ばれる存在になることで、働き方の自由度も広がります。結果として、長く安定的に働ける土台を築くことができます。

自己肯定感が高まる

「すべてを完璧にこなさなければ」という呪縛から解き放たれると、「これでいいんだ」と思える瞬間が増えます。自分で選んだ暮らし、自分で調整した働き方を積み重ねていくことが、確かな自己肯定感へとつながります。

自分を大切にすることで、周囲の人も自然と大切にできるようになります。

「頑張らない自分」も受け入れられるようになると、心の安定感が増します。他人と比べるのではなく、昨日の自分と比べて小さな成長を感じられるようになります。そしてその積み重ねが、人生に対する信頼感や前向きさを育みます。

まとめ

仕事と家庭は完璧に頑張らなくても、仕事と家庭をどちらかに偏らせなくても、自分に合ったバランスの取り方はたくさんあります。両立しないというのは、片方を手放すことではなく、自分にとって無理のない形で暮らしや働き方を見直すということです。「えらいママ」でなくて大丈夫です。他人の正解ではなく、自分が心地よくいられる生き方を、自分の手で選んでいきましょう。

タイトルとURLをコピーしました