在宅副業は、家事や育児との両立を目指す人にとって魅力的な選択肢です。しかし、実際に副業を始めたいと思っても、「家事に追われ、育児も大変で、時間が足りない……」と感じる方が多いのではないでしょうか。
それでも、在宅で副業をするメリットは大きく、「好きな時間に働ける」「通勤がない」「家事・育児のすきま時間を有効活用できる」など、自由度の高い働き方が可能です。
本記事では、家事・育児との両立を実現しやすい在宅副業の選び方から、時間管理術、そして避けるべき失敗まで、在宅副業を成功させるためのポイントを解説します。
在宅副業と家事・育児の両立が難しいと感じる主な理由
収入を少しでも増やしたい、社会とのつながりを持ち続けたい、自分のスキルを活かしたい……。そんな思いを抱きながらも、「家事や育児と両立なんて本当にできるの？」と不安に感じる方は多いはずです。ここでは副業と家事・育児の両立が難しいと感じる主な理由を解説します。
予期せぬ中断が多い
子どもが急に泣き出す、眠れなくて抱っこを求められる、急な発熱やケガが起きるなど、日常の中には予測できない出来事がたくさんあります。集中して作業しようと思っても、何度も中断されてしまい、思うように進まないことがほとんどです。
「自分の時間」が常に後回しになる
家事、育児、家族の予定など、周囲のことを優先して動いていると、気づけば自分の作業時間が深夜や早朝に押し込まれてしまいがちです。身体も心も疲れている状態で副業をするのは、簡単ではありません。
生活リズムが不安定で計画通りにいかない
子どもの成長や家族のスケジュールに左右され、生活リズムが不安定な中では、時間の見積もりが難しいことがあります。急な予定変更が頻繁にあるため、計画通りに進めることが難しく、長時間の作業が必要な副業には向かないと感じてしまう人も多いでしょう。
それでも在宅副業が選ばれている理由とは？
副業と家事・育児の両立は難しいと考える人が多い一方で、「在宅副業を始めてみたい」「両立できる働き方を探している」という人も少なくありません。その理由は、在宅副業ならではの柔軟性にあります。
通勤が不要で時間を有効活用できる
在宅副業の大きなメリットは「在宅でできる」ところです。外で仕事をする場合は通勤のための移動時間が必要ですが、在宅副業なら不要です。メイクなどの身支度も最低限で済むため、外出の準備もいりません。
移動や準備時間がゼロになることで、1時間でも空けばすぐに作業に取りかかれるのが大きなメリットです。忙しい人でもすきま時間を活かせる点が在宅副業の魅力です。
自分のペースで働ける案件が多い
多くの在宅副業は「○日までに納品」というスタイルで受注できます。シフト制のパートなどと違って自分でスケジュールをやりくりでき、時間帯や曜日に縛られません。自分のペースで進められるため、計画的に進めるのが難しい人でも取り組むことが可能です。
家庭にいながら収入が得られる
外で働くためには、子どもを見てもらうための保育園の確保や家族の協力が必須です。在宅副業ならそれらのハードルを下げて、生活に無理なく「＋αの収入」を得ることができます。
保育園の審査待ちなどをしなくても、今すぐ始められるのも在宅副業のよいところです。
スキルや経験を活かす場になる
過去の職務経験や趣味を活かして副業にすることで、自己肯定感ややりがいを感じながら働けるのも、在宅副業ならではのメリットです。
特に育児をきっかけに休職や退職をした人は、社会とのつながりを感じられず、自己肯定感が下がってしまうことがあります。在宅副業を通じてスキルや経験を活かすことで、自己肯定感を保ちながら日々の生活を充実させることができます。
家事・育児と両立しやすい副業の特徴
家事・育児と副業を両立させるには、両立しやすい副業を選ぶことが大切です。以下のような特徴を持つ副業は、育児や家事と並行して取り組みやすい傾向があります。
作業時間を自分で決められる
先が読めない育児中に「○時～○時まで」のように、時間を指定されてしまう働き方は不向きです。何が起こるかわからない以上、その時間に働ける約束はできません。
そのため副業は納期だけが決まっていて、作業時間を自分で決められるものが適しています。納期までに間に合えば、子どもの昼寝中や夜の空いた時間など、自分のペースで進められるものが理想です。
作業の中断・再開がしやすい
家事や育児中は「急に呼ばれる」「子どもが泣く」といった予期せぬ中断が多いです。そのため、作業の切れ目がわかりやすく、いつでも中断・再開できるタスク型の仕事が向いています。
データ入力やライティングなどは典型例です。
納期やスケジュールが比較的ゆるやか
納期が決まっている副業の中でも、特に納期がゆるやかなものがおすすめです。数日〜1週間単位で納品すればOKな案件や、自分で投稿タイミングを決められるような継続案件が適しています。
月単位の依頼で「今月は○件」のような受注ができる案件もあります。予備日をとりやすいので、ムリなく納品できます。
単価は低めでも、スモールスタートできる
ただでさえ負担が大きい家事・育児に加えて、いきなりボリュームのある副業をするのはおすすめできません。負荷が強すぎて挫折してしまう可能性が高いです。
そのため、まずは1日30分からでも無理なく始められる作業系の副業が向いています。徐々に慣れていくことで、ストレスなく続けられるようになります。たとえば、データ入力、ブログ記事作成、SNS運用、Webアンケートなどが代表的な例です。
単価は低めですが、スモールスタートが可能で、ムリなく続けられます。「スキルはないけど、育児の合間に少しでも収入を得たい」という方にもぴったりです。
家事・育児と両立しにくい副業の特徴
一方、在宅でも以下のような条件の副業は、家事や育児と同時進行で進めるのが難しく、ストレスの原因になることがあります。
リアルタイム対応が必要
在宅でも、オンライン接客やカスタマーサポート、Web面談などを行うことができます。しかしこれらの副業はリアルタイム対応が求められるため、基本的に時間の拘束が発生します。子どもがそばにいる環境では対応が難しいでしょう。
電話やZoomなどをよく使うような案件も避けたほうが無難です。
納期や締め切りがタイトな仕事
在宅で取り組みやすいライターやデザイン業務でも、納期が短い・修正対応が頻繁な案件も存在します。こうした案件は、本業ライターや本業デザイナーとして活動するなら高単価につながるためアリなのですが、家事・育児とムリなく両立したい場合には不向きです。
納期がタイトだと責任やプレッシャーが大きく、家庭を優先することは難しいでしょう。家族の体調不良などで一気に予定が崩れた場合、クライアントに迷惑をかけてしまいます。結果として、長く続けることが難しくなります。
専門スキルが必要で、学習コストが高い
動画編集やWebデザインなどは専門スキルが必要です。もともとスキルをもっている方には収入が高めでおすすめですが、初心者がこれから取り組むのには向いていません。
最初に学習時間やスキル取得のための投資が必要なため、すぐに収入を得ることが困難です。収入につながるまでモチベーションを保つ必要があるため、よほど強い意欲がある方以外はおすすめしません。
不定期で急な対応を求められる業務
クライアントからの急な変更や短時間対応を求められるものは、生活リズムが不安定な家庭にとっては難易度が高いです。
両立がうまくいかない方の多くは「時間の制約が厳しい副業」を選んでいることにあります。その結果、子どもにイライラしてしまったり、自分の心身が疲れ切ったりしてしまうこともあるため不向きです。
家事・育児と在宅副業を両立するための時間管理の工夫
家事・育児と副業を両立するためには、両立しやすい副業を選ぶほかに時間管理の工夫も重要です。
「やらない家事・ムダな時間」を減らす工夫
在宅副業の時間をつくるためには、「何をするか」以上に「何をやめるか」が重要です。
たとえば以下のような工夫が有効です。
- 洗濯は毎日→週3回にまとめる
- 掃除はロボット掃除機に任せる
- 買い物はネットスーパーや宅配を利用する
- SNSやスマホ時間を減らす
限られた時間を副業に回せる時間に変えるための、時間の断捨離をしてみましょう。
すきま時間を見つけて副業に充てる
家事・育児に奮闘中の場合、「毎日3時間！」と時間をがっつり取ろうとするのは難しい面があります。それよりも、1日30分〜1時間程度の「集中タイム」を複数回つくるほうが現実的です。
たとえば、「朝の子どもが起きる前の30分」「お昼寝中の1時間」「夜寝かしつけた後」のような時間を副業に充てられます。
完璧主義を手放す！ゆるく継続できる工夫を
在宅副業で挫折しがちな理由のひとつが「ちゃんとやらなきゃ」という完璧主義です。しかし、家事・育児との両立を目指すなら「70点でOK」くらいの気持ちが大切です。
クライアントワークの場合、当然ながら責任をもって納品する必要がありますが、完璧を追求するあまり納期ギリギリになったりムダに時間をかけたりするのは避けましょう。
自分でSNS投稿やサイト運営などをするような副業の場合、「毎日投稿しなくちゃ」と意気込むよりも、週2回くらいのペースのほうが結局は継続できます。
ゆるやかなペースでも、継続することが何より大切です。
在宅副業と両立しやすいおすすめの仕事3選
「在宅副業に挑戦したいけれど、どんな仕事なら家事や育児と両立できるの？」と感じている方に向けて、ここでは育児や家事に忙しい方でも取り組みやすい在宅副業を3つご紹介します。
スキル不要で始めやすい「データ入力・事務代行」
副業初心者に特に人気なのが、データ入力や事務代行といったスキル不要の副業です。
- 未経験でもOKの案件が豊富
ExcelやWordの基本操作ができれば応募可能な案件が多く、タイピングができれば誰でも始められます。初めての副業にもおすすめです。 - 時間を区切って作業できる
「1時間だけ」「子どもが寝た後に2時間だけ」など、自分の都合に合わせて作業できる案件が多く、育児や家事と無理なく両立できます。 - 業務内容がシンプルで集中しやすい
数字の入力やアンケート集計など、比較的単純な業務が多いため、短時間でも作業しやすいのが魅力です。 - 仕事の見つけ方
クラウドワークス、ランサーズなどのクラウドソーシングサイトには、初心者向けのデータ入力案件が多数掲載されています。
自分の経験が活かせる「ブログ・ライティング」
育児や家事の合間に、自分の体験や知識を文字にすることで収入につなげられるのが「ブログ・ライティング」の魅力です。
- 自分のペースで執筆可能
クライアントワークでも納期のみ決まっていることが多いため、作業の時間帯は基本的に自由です。夜中や早朝など、自分の生活リズムに合わせて取り組むことができます。 - ストック型収入が狙える
ブログ運営の場合、記事が蓄積されることで広告収入やアフィリエイト報酬が発生する「ストック型収入」が見込めます。すぐに大きな収益は見込めませんが、継続することで安定した副収入になる可能性もあります。 - 主婦や育児経験を活かしたテーマが強みになる
「離乳食の工夫」「ワンオペ育児のコツ」「節約術」など、自分の経験がそのまま価値になる分野は多く、読者の共感を得やすいジャンルです。 - 案件の探し方
ライティング案件は、クラウドワークスやサグーワークス、またはライティング専門の案件紹介サイトで探せます。初心者OKの募集も多くあります。自分でブログ運営をする場合はワードプレスなどを使って始めるのが一般的です。
すきま時間でできる「ハンドメイド販売・フリマ販売」
手先の器用さを活かせる「ハンドメイド販売」や、自宅の不要品を出品する「フリマ販売」も、家庭の事情に合わせて柔軟に取り組める在宅副業です。
- 在宅で完結＆時間の自由度が高い
商品の制作や出品作業、購入者対応などはすべて在宅で行え、空き時間を使って作業できるのが特徴です。 - 自分のペースで運営可能
注文数や制作スケジュールを自分で調整できるため、家事・育児の合間でも無理なく続けられます。 - 週末や夜にまとめて対応もOK
梱包や発送は、家族の手を借りながら週末にまとめて対応するなど、工夫次第で継続しやすい環境を整えることができます。 - 始めるには？
ハンドメイド作品はminneやCreema、フリマ販売はメルカリやBASEなどを活用してスタートできます。
家事・育児と副業を両立する場合のスケジュール例
【例：3歳児育児中・副業で月3万円を目指す場合】
| 時間帯 | 内容 |
|---|---|
| 6:30〜7:00 | 子どもが起きる前に30分だけブログ執筆 |
| 12:30〜13:30 | お昼寝中にクラウドワークのタスク処理 |
| 21:00〜22:00 | 寝かしつけ後にSNS投稿と次のタスク準備 |
合計：1日2〜3時間程度
月10〜15時間でも、継続すると月収3〜5万円の成果を出すことは可能です。
在宅副業と家事・育児の両立のよくある失敗例＆対策
在宅副業は柔軟に働ける一方で、家事や育児との両立を目指す中で、思わぬ壁にぶつかることもあります。ここでは、実際によくある失敗例とその対策を紹介します。「思うように進まない」「疲れて続かない」と感じたときは、ここで紹介する工夫を参考にしてみてください。
頑張りすぎて疲れてしまう
在宅副業を始めたばかりの方に多いのが、「頑張りすぎて心身ともに疲れてしまう」というケースです。「せっかく始めたんだから稼がなきゃ」「自由時間は全部副業に使わなきゃ」と無理をしてしまい、家事・育児との両立どころか、日々の生活そのものが苦しくなってしまうこともあります。
対策としては、最初から完璧を目指さないことが大切です。
1日1時間、週に3日だけなど、自分にとって無理のないペースでスケジュールを組みましょう。慣れてきてから徐々に作業時間を増やすほうが長く続けられます。
子どもが寝なくて作業が進まない
「子どもが寝たら作業しよう」と思っていても、なかなか寝てくれなかったり、夜泣きで中断されたりするのは日常茶飯事です。特に乳幼児がいる家庭では、予定通りに進められないことのほうが多いかもしれません。
対策としては、バッファ（予備）日を設けておくのがおすすめです。
たとえば納期が1週間後の案件なら、実際には5日で終えるつもりで計画を立てておけば、突発的な予定変更にも対応しやすくなります。1日で完了させようとせず、2〜3日に分けて取り組む意識を持つことで、気持ちにも余裕が生まれます。
スケジュール通りに進まない
子どもの急な体調不良や家族の用事など、毎日が予測不可能な家庭の中では、毎日決まった時間に作業するのは現実的に難しいこともあります。すると「予定通りにできなかった自分」に落ち込み、副業そのものをやめてしまうことになります。
こうした事態を避けるには、週単位または月単位で調整できる副業を選ぶのがポイントです。
たとえば、毎日ログインして対応する必要がある副業よりも、週に数記事納品すればよいライティングや、週末にまとめて作業できるフリマ販売などのほうが、子育て中の生活リズムにフィットしやすいでしょう。
また、最初から「うまくいかない日があるのは当たり前」と割り切っておくと、気持ちのゆとりも保てます。
まとめ
家事や育児で忙しい毎日の中でも、在宅副業は自分の生活スタイルに合わせて働ける柔軟さがあります。ただし、両立を実現するには「副業選び」と「時間管理術」を意識することが大切です。
すきま時間でも取り組みやすい副業を選び、無理のないスケジュールを立てることで、心身の負担を抑えながら継続できます。
完璧にこなそうとせず、日々の変化に対応できるゆるやかな計画を立てることで、家事・育児との両立は現実的になります。少しずつでも一歩ずつ、自分に合った働き方を見つけていきましょう。
