「自分がやらないと仕事が回らない」と感じている人は少なくありません。責任感が強い人ほど、周囲に頼らずに自分で抱え込んでしまいがちです。しかし、このような働き方を続けると、残業が慢性化し、心身の負担が増えてしまいます。仕事の効率も下がり、結果としてチーム全体の生産性にも悪影響を与えます。そこで本記事では、仕事を手放すことのメリットを理解し、抱え込む状況から脱却するための具体的な方法を解説します。
その仕事、あなたしかできない?属人化の落とし穴
「この仕事は自分にしかできない」と思っていませんか?確かに、経験や知識の蓄積によって特定の業務に精通することは重要ですが、属人化は組織全体のリスクを招きます。
あなたがいないと回らない組織は危険信号
仕事が特定の人に集中しすぎると、その人が休んだり退職したりしたときに業務がストップしてしまうリスクがあります。誰かひとりがいないだけで困ってしまうという経験は、多くの方がしたのではないでしょうか?このような状態は組織にとって大きな問題であり、安定した業務運営ができていない証拠です。
また、仕事を抱えている本人の負担も大きくなり、プレッシャーを感じ続けることになるでしょう。
特定の人に頼ることでチームの成長が止まる
自分だけが仕事をこなしていると、周囲のメンバーに経験を積ませる機会を奪ってしまうことになります。成長機会のない職場はおもしろくないので、将来有望な若手人材が辞めてしまうかもしれません。そのような組織はいずれ淘汰され、倒産や整理解雇といった形でいつか自分に降りかかってくる可能性もあります。
しかし業務を共有し、チーム全体のスキルを向上させることができれば、チームは成長し続けられます。成長したチームはより効率的に仕事を進めることも可能なので、さらに強い組織になります。
自分の成長チャンスも逃しているかも
「この仕事は自分にしかできない」と思い込んでいると、新しいチャレンジの機会を逃してしまいます。

やり慣れた仕事をすることはラクですが、ほかの仕事はできないということでもあります。
ほかの人に業務を任せることで、自分はより高度な業務やスキルアップに時間を使えるようになります。
つい仕事を抱え込んでしまう3つの理由
なぜ人は仕事を抱え込んでしまうのでしょうか?その背景には、責任感の強さや頼ることへの抵抗感、業務整理の不足といった要因があります。これらを克服することで、無理なく仕事を分担できるようになります。
責任感が強すぎる
仕事を抱え込みがちな方に共通しているのは、責任感が強いことです。それ自体はとてもよいことですが、行き過ぎると逆効果です。「自分がやらないと」と思うあまり、周囲に頼ることを避けてしまっていないでしょうか?それでは、結果的に自分のキャパシティを超えた業務を抱え込むことになります。長期的には業務のクオリティが下がり、疲弊してしまうことにもつながります。
人に頼むのが苦手
「人に頼むのは迷惑をかけることだ」と考えてしまい、仕事を振ることに抵抗を感じる人は多くいます。しかし、人に仕事を頼むことは、本当に悪いことなのでしょうか?
適切な仕事の分担は組織全体のパフォーマンスを向上させるものです。組織のことを考えれば、誰かに頼むのは決して悪いことではありません。むしろ、仕事を抱え込んでしまうことでミスが増えたり、納期が遅れたりするほうが問題となる場合も多々あります。
業務の整理ができていない
「どの仕事を誰に振るべきか」が明確でないと、結局すべての仕事が自分に集中してしまいます。業務を整理すること自体に手がまわらず、「もういいや!」と自分でやっている方は少なくありません。
業務を整理し、タスクを適切に割り振る仕組みを作ることが、仕事を抱え込まないための第一歩です。
仕事を手放せば、驚くほど残業が減る!
仕事を分担することで、残業は大幅に減らせます。自分がすべてを抱え込むのではなく、チームで協力して業務を進めることで、より効率的に働けるためです。
仕事の「分担力」が時間の余裕を生む
仕事を適切に分担することで、個人の負担が軽減され、各自が集中して業務に取り組めます。疲労やミスによる手戻りといったムダな時間を削減できるため、同じ成果物を提出するとしても残業時間が減ります。
また、それぞれが得意分野を活かしながら仕事を分担すれば、業務のクオリティも向上し、よりよい成果を生み出すことができます。
本当に大事な仕事に集中できるようになる
仕事を抱えている人は、ルーチン業務や単純作業をほかの人に任せることで、より重要な業務に時間を割くことができます。その結果、限られた時間の中でも高い成果を出し、社内の評価が高まります。
ルーチン業務を減らして戦略的な仕事やスキルアップに集中する時間を確保することで、自身のキャリアの成長にもつながります。これらの結果、年収アップにつながる可能性もあるでしょう。
仕事を抱え込まないための3ステップ
仕事を抱え込まない人は、「業務の整理」「適切な分担」「情報共有」などの習慣を身につけています。以下では、仕事を上手に手放すためのステップを解説します。
まずは「見える化」!業務を整理する
仕事を抱え込まない人は、自分が担当する業務の全体像を把握できています。そのためには、まずは自分が抱えている業務をリストアップし、業務を「見える化」しましょう。そして、見える化した業務に優先順位をつけます。こうすることで、どの仕事を手放すべきかが見えてきます。
「頼む力」を鍛えよう!適切な人に仕事を振る
本当に仕事ができる人は、人に「頼む力」があります。適切なタイミングで適切な人に仕事を振ることで、業務全体の効率が上がります。
仕事をほかの人に頼むことは、決して悪いことではありません。むしろ、チーム全体の効率を高めるために必要なスキルのひとつです。お互いに助け合う環境を作ることが重要です。
まずは「助けを求めるのは悪いことじゃない」と意識改革することから始めましょう。
情報はチームで共有!属人化を防ぐ工夫を
属人化を防ぐ工夫をしましょう。業務の進め方やノウハウをチームで共有することで、誰でもスムーズに仕事を引き継げるようになります。その結果、仕事を頼みやすくなります。
マニュアル作成や定期的なミーティングなどを活用し、属人化を防ぐ工夫をしましょう。
まとめ
仕事を抱え込んでしまうことは、個人だけでなく組織にも悪影響をおよぼします。適切に業務を分担し、チームで協力することで、残業を減らし、より効率的に働くことができます。まずは、自分の業務を整理し、手放せる仕事を見つけることから始めてみましょう。