モノを減らすと時間が増える理由|ミニマリズムの驚くべき時間効率

習慣

忙しい毎日の中で、「もっと自分の時間がほしい」「片づけに時間を取られすぎている」と感じていませんか?その場合、モノを減らすことが時間を増やすための有効な方法です。

この記事では、「モノが多いとどうして時間が奪われるのか」「効率よく片づけて時間を生み出す具体的なコツ」について、わかりやすく解説します。

モノを減らして時間を増やすためのシンプルで効果的な方法を知り、生活の質を高めたい方はぜひ最後までお読みください。

あんず
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この記事はこんな方におすすめです。

  • 物が多くて毎日の片づけに時間がかかっていると感じる方
  • 忙しくて自分の時間がなかなか取れないと悩んでいる方
  • 効率的な暮らしを目指している方

なぜ「モノ」が時間を奪うのか?

現代の私たちは、多くのモノに囲まれて生活しています。しかし、モノの多さが時間を奪っていることに気づいている人は少ないです(薄々気づいているけどスルーしている人が多数)。

モノが多ければ多いほど、日常生活で探し物に費やす時間が増えます。日々の意思決定にも負担がかかり、結果として時間を効率的に使えなくなります。

この章では、「モノ」がどのようにして私たちの時間を奪うのか、そのメカニズムを解説します。

探し物の時間は年間150時間以上?

探し物に費やす時間は思いのほか多く、年間で150時間以上になるという調査結果もあります。

これは一日あたりに換算すると約25分、1ヶ月なら約12時間にも及ぶ膨大な時間です。

たとえば……

  • 財布
  • スマホの充電ケーブル
  • 役所に送付する書類
  • 印鑑 など

このように必要なモノをすぐに見つけられないと、そのたびに探す手間がかかり、時間が浪費されてしまいます。

多くのモノを所有している環境ほど、探し物の時間は増加し、日常の小さなストレスとして積み重なっていきます。

探し物のために作業が中断されることで、集中力が途切れ、仕事や家事の効率も下がっているはずです。

モノが多い人ほど決断疲れに陥る

持ち物が多いことは、単に探し物の時間が増えるだけでなく、日々の意思決定にも影響を及ぼします。

たとえば、毎朝の服選びや仕事で使う文房具の選択など、モノが多い環境では選択肢が増え、どれを選ぶか迷う時間が増えます。

この状態を「決断疲れ」と呼びます。選択肢が多すぎることで脳が疲弊し、意思決定の質や速度が低下する現象です。

結果的に、必要な判断を先送りしたり、ミスが増えたりすることもあります。決断疲れは、生活全体の効率を下げ、時間の浪費につながる大きな要因のひとつです。

片づけも掃除もモノが多いほど時間コストがかかる

モノが多いと、それだけ片づけや掃除にかかる時間と労力が増えます。

部屋の中のモノが多ければ物理的に動かす対象が増え、整理整頓のための手間が増大します。

掃除の際にも、モノを一時的に移動させたり、隙間のホコリを取り除いたりする作業が増えるため、掃除自体に要する時間が長くなります。

このように、片づけや掃除の「時間コスト」は物の量に比例して増加します。時間コストは単純な時間だけでなく、体力や精神的な負担も含まれます。

モノを減らせば、これらの負担が軽減され、そのぶんを自分の好きなことや重要な作業に充てられるようになります。

あんず
あんず

つまり、モノを減らすことは、片づけや掃除の効率化を通じて、生活全体の時間の余裕を生み出すことにつながるのです。

モノを減らすと時間が増える仕組み

モノを減らすことで、私たちの生活にさまざまなプラスの変化が生まれます。特に時間の使い方に関しては、具体的なメカニズムが存在します。

この章では、モノを減らすことでなぜ時間が増えるのか、その具体的な仕組みを3つの視点から解説していきます。

「探す・迷う・選ぶ」時間を一気にカット

モノが多いと、何かを探したり、どれを使うか迷ったり、選択したりする時間が増えます。

たとえば、洋服が多いと毎朝「どの服を着るか?」で悩みがちですが、持ち物が少なければ迷う時間が大幅に短縮されます。

書類や道具などが散らかっていると、必要なものを見つけるのに時間がかかり、その間に集中力も途切れてしまいます。

こうした「探す・迷う・選ぶ」という行動は、日常生活の中で積み重なると大きな時間のロスです。

モノを減らし、持ち物を整理することでこれらの無駄な時間を一気に削減できるため、結果として生活全体で使える時間が増えるのです。

「やらされ家事」が「やりたい家事」になる変化

モノが多いと、片づけや掃除などの家事が負担となり、「やらされている感」が強まります。

しかし、持ち物を減らし空間がすっきりすると、家事の負担から解放され、「やりたい家事」へと変わることがあります。

たとえば、調理器具や食器、調味料がごちゃついたキッチンでは、料理を始める前から気が重くなります。

一方で、必要でお気に入りの道具だけが整っていてきれいなキッチンなら、料理を義務ではなく趣味やリラックス手段として楽しめるようになります。

料理が「段取りに疲れる作業」から、「自分や家族のために集中できる時間」になるのです。

ほかにも、床にモノが散乱していなければ掃除機をかける作業もラクラクです。「面倒な作業」から「気持ちのいい作業」になります。

こうした変化は、時間の余裕だけでなく、精神的な豊かさももたらします。結果的に仕事や趣味など、ほかの時間の使い方にもよい影響を与えます。

モノが減ると脳の思考空間が広がる

モノが多い環境は、視覚的な情報が多く、脳に余計な負担をかけています。

視界に多くのモノがあると、無意識にそれらを処理しようとし、集中力や思考の妨げとなります。

逆にモノを減らして空間が整理されると、脳は「思考のための空白」を得ることができ、創造性や集中力が高まります。

思考空間の拡大は、結果的に作業効率を上げ、短時間で質の高い成果を生むことにつながります。

つまり、モノを減らすことは物理的な時間の節約だけでなく、脳の処理効率を上げることで時間を増やす効果もあるのです。

モノが多いと感じる人が知っておきたい基本的なポイント

「片づけたい」「すっきり暮らしたい」と思っていても、どこから手をつければいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

この章では、モノが多いと感じている人がまず知っておきたい基本的なポイントをご紹介します。

まず減らすべき「時間を奪うモノ」ベスト5

何から減らしていけばわからない方は、まずは王道のモノから減らしていきましょう。

モノが多い人は、大抵が以下の5つを中心に時間を奪われています。

  1. 使っていない書類や紙類
    必要ない書類や溜まった郵便物は管理に時間がかかり、探し物の原因にもなります。デジタル化できるものは早めに処分し、紙の整理は定期的に行いましょう。
  2. 着ていない服や着回さない服
    クローゼットに眠る着ていない服は選択肢を増やし、服選びの時間を無駄にします。着ない服は思い切って手放し、日常の服選びをシンプルにしましょう。
  3. 壊れている、または使わない家電や小物
    使わない電化製品や壊れたものを保管していると掃除の手間が増えます。不要なものは早めに処分して、スペースと掃除時間を減らしましょう。
  4. 使いきれていない文房具や雑貨
    文房具や小物類は増えやすいアイテムの代表格です。使っていないものを見直し、必要なものだけを残すことで、日々の作業効率がアップします。
  5. 過剰なストック品や賞味期限切れの食品
    食材や日用品のストックが多すぎると、管理が難しくなり、賞味期限切れも発生しやすくなります。適量を守り、定期的に見直しましょう。

この5つを減らせば、家や身の回りはかなりすっきりするはずです。何が自分の時間を奪っているのかを考えなくても、5つを中心に減らすことで、日々の管理や探し物の時間を大幅に減らせます。

あんず
あんず

まずはこの5つから着手し、徐々に生活全体を整えていきましょう。

ミニマリズム初心者が失敗しがちな3つの落とし穴

ミニマリズムを実践しようと思うと、多くの方が以下の失敗を経験します。

  1. 完璧を目指しすぎて挫折する
    すべてのモノを一度に減らそうとすると、まとまった時間が取れずにいつになっても取りかかれないか、取りかかっても時間的・精神的な負担が大きく続きません。小さな範囲から始め、少しずつ進めることが大切です。
  2. 感情的な執着を手放せない
    思い出の品や高価な物は手放しにくいですが、執着が整理を妨げることもあります。使わない物は「過去」ではなく「現在」の生活を豊かにするかで判断しましょう。
  3. 人からの評価を気にしすぎる
    「物を減らす=寂しい生活」という誤解を恐れて、必要以上にモノを持ち続けてしまうことがあります。自分の価値観を優先し、他人の目は気にしすぎないことが重要です。
あんず
あんず

これらの落とし穴に注意しながら、無理なく自分に合ったペースで物を減らしていくことが成功の秘訣です。

モノを減らした筆者が実感した時間の変化

わたしが会社員約10年、フリーランス約10年の中で、モノを減らしたことで得られた時間的メリットをお伝えします。

  • 毎朝の仕事着選びにかかっていた30分が10分に短縮され、朝活(読書やストレッチなど)に時間を充てられるようになった
  • 家の中が整理されて掃除の時間が半分以下になり、自分時間が増えた
  • 仕事用の書類やデジタルファイルの整理によって必要な情報にすぐアクセスできるようになり、業務効率が大幅にアップした

今日から始めよう!時間を生み出す片づけのコツ

片づけをしたほうがいいとわかっていても、なかなか行動に移せない人は多いでしょう。

特に「どこから手をつけていいかわからない」「時間がないから無理」と感じる人にとって、片づけは先送りされがちなタスクです。

この章では、初心者でもすぐに実践できる、時間を生み出す片づけのコツを紹介します。シンプルな方法でも、正しく続けることで、確かな成果につながります。

「5分ルール」でまず手を動かす

片づけを習慣化できない大きな理由は、行動のハードルが高すぎることです。

「今日は1時間かけて大掃除しよう」と考えると、逆に気が重くなり、結局なにもできなくなることがよくあります。

おすすめは「5分ルール」です。「とりあえず5分だけ片づける」と決めることで、行動のハードルを大きく下げる効果があります。

人間は、始めるまでが一番エネルギーを使います。5分だけでも手を動かせば、そのまま10分、15分と続くこともあります。

時間をつくるために重要なのは完璧を目指すのではなく、習慣を積み重ねることです。

小さな片づけの一歩でも、積もり積もれば、結果的に大きな時間の節約につながります。

あんず
あんず

忙しい平日などは、「寝る前の5分だけ机の上を整える」といったルールを決めることで、生活全体が整いやすくなりますよ。5分間タイマーをかけておけば、「気づいたら時間が経っていて寝る時間が遅くなってしまった」といった事態も防げます。

カテゴリーごとにやる

家の中を一気に片づけようとすると、何をどう整理すればいいのか迷ってしまい、非効率です。

効率的なのは「カテゴリーごとに片づける」方法です。

たとえば「服」「書類」「調理器具」といった種類別に、対象を絞って取り組みましょう。捨てる・減らすの判断基準が明確になり、集中力も持続します。

「次にどこをやるか」も決めやすいので、効率的な片づけサイクルが生まれます。

カテゴリーベースで整理することで、「同じ用途のモノがいくつもある」といった重複も見つけやすく、自然と持ち物の適正量が見えてきます。

あんず
あんず

この方法は、モノを減らすだけでなく整理後の維持にもつながるため、持続的に時間の余裕を生み出す基盤となります。

「仕分けボックス」を活用する

片づけ中に手が止まる場面として多いのが、「これは残すべき?捨てるべき?」という迷いです。

この判断に時間がかかりすぎると、作業全体のペースが落ちてしまいます。

そんなときに役立つのが「仕分けボックス」です。

あらかじめ「残す」「迷う」「処分する」といったカテゴリに分けた箱や袋を用意しておき、判断に迷うモノはとりあえず「迷う」に入れるルールにします。

これにより、いちいち考え込む時間を減らし、テンポよく片づけを進められます。

「迷うボックス」の中身は後日改めて見直せばOKです。時間を空けることで気持ちが整理され、冷静に判断できることも多いため、時間的にも心理的にも無理のない片づけが可能になります。

捨てる・譲る・売るのルールを決めて処分する

減らすモノを決めても、処分の方法に迷って手が止まることは多いです。

処分の方法は「捨てる」「譲る」「売る」の3つなので、このルールをあらかじめ決めておくことが有効です。

ルールがあると感情に流されずに実用性や価値基準で判断がしやすくなります。

たとえば……

  • 壊れている、劣化しているもの→捨てる
  • 新品同様で使えるもの→譲る
  • ブランド品など高値で売れるもの→売る

「処分の道筋」が明確になっていることで、判断スピードが上がり、結果として作業全体にかかる時間が短縮されます。

基本的には「捨てる」がおすすめですが、捨てる以外の選択肢があることで、精神的な負担が軽くなります。どうしても「捨てる」に躊躇してしまう人は、「譲る」や「売る」も選択肢に入れておきましょう。

注意!時間をつくりたいならフリマアプリはおすすめしない

「時間をつくること」を目的にモノを減らす・片づけるのなら、処分方法にフリマアプリはおすすめしません。

フリマアプリはどんな小さなモノでも売れることがありますが、魅力的な写真を撮って、登録して、ひとりひとりの相手とやり取りして……と、とにかく時間がかかります。

時間をつくるためにモノを減らそうとしているのに、新たな作業時間が発生しては本末転倒です。

売るなら、業者にまとめてチェックしてもらえるリサイクルショップや買い取り店などで十分。

また、そもそも細々したものは売らずに「捨てる」を選択しましょう。売るのは本当にお金になる高価なモノだけに絞るのがおすすめです。

「使う場所に戻す」を習慣化する

片づけの効果を持続させるためには、「元に戻す」習慣の徹底が欠かせません。

特に重要なのは、「使う場所の近くに収納する」という原則です。

よく使うモノを遠い場所にしまっていると、戻すのが面倒になり、出しっぱなしになって散らかりやすくなります。

「文房具はデスクの引き出し」「毎日使うコップは食器棚の手前」など、使用場所に収納場所を近づけることで、自然と片づいた状態を保てます。

また、戻す行為を面倒なことだと感じないように、手順をできるだけシンプルにしておくことも大切です。

たとえばよく使う調理ボウルなのに、引き出しの奥を収納場所にすると、収納する手間がかかるので出しっぱなしになりがちです。よく使うモノは引き出しの手前など、しまいやすい場所を指定しましょう。

あんず
あんず

片づけにおいて「定位置を決めること」は、時間を浪費しないための最大の防御策です。

まとめ|時間が欲しいならモノを見直そう

私たちは気づかないうちに、モノに多くの時間を奪われています。探し物、片づけ、管理、選択の迷い……。そうした目に見えない時間の浪費は、暮らしに小さなストレスを積み重ね、心の余裕も奪っていきます。

しかし、モノを減らすことで、それらの時間は一気に解放されます。探さなくてよくなる、迷わなくてよくなる、片づけが一瞬で終わる……。つまり、「持たない」ことが、思っている以上に私たちの時間を増やしてくれるのです。

「時間がない」と感じたときこそ、まずはモノを見直してみてください。

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