フリーランスは自分のペースで仕事を進められる反面、時間や仕事量の管理ができないと仕事が滞ったり過労になったりすることもあります。そのため生産性を上げることは、フリーランスが自由に使える時間を増やすための重要なポイントです。
では、どうすれば効率よく生産性を上げて、自由な時間を確保できるのでしょうか?この記事では、フリーランス10年の経験を通じてわかった、生産性を上げるポイントを解説します。
方法1:時間を区切って計画的に働く
1日の時間をどのように区切り、配分するのかで、その日の生産性は大きく変わります。なんとなく1日を過ごすのではなく、計画的に過ごすことで日々の仕事がうまく回りだします。
タイムブロッキングの活用
タイムブロッキングは、一定の時間帯を特定の作業に充てることで、効率的に作業を進める方法です。具体的には、1日のスケジュールを見える化し、タスクごとに時間を分けることで、無駄なく作業を進めていきます。
タイムブロッキングを使うことで、集中して仕事をこなせるため生産性が上がります。また、目的ごとの時間をしっかり確保でき、重要なタスクを後回しにせずに済むため、週や月単位で見たときにもタスクを計画的に進めることができます。
たとえば朝の時間帯を頭を使う作業に、午後は会議や打ち合わせにといった具合に、時間を区切って作業を進めます。こうすることで、作業の切り替えをスムーズに行い、集中力を保ちながら効率よく進められます。
1日のスケジュールの具体例
参考までに、わたしのとある1日(仕事がある日)のスケジュールをご紹介します。
【午前】
- 7:00 – 7:30|朝の準備・モーニングルーチン:歯磨き、洗顔、身支度をします。朝食を取りながら、その日のタスクや目標を確認します。
- 7:30 – 8:00 |ビジネスチャット・メールの確認:前日の残りのメールやビジネスチャットを確認し、必要なメッセージは即対応します。何もなければ5分くらいで終わることが多いです。
- 8:00~10:00|執筆や校正など集中したい作業は、午前中のこの時間帯にやることが多いです。小休憩をはさみながら行います。
- 10:00 – 10:30 | 休憩:コーヒーを飲んだり、軽いストレッチでリフレッシュしたりします。
- 10:30 – 12:00 |引き続き集中したい作業を行います。
- 12:00 – 13:00 |昼食・休憩:食べたいものがあるときは昼食を食べます。基本的には1日2食なので昼食は食べないことが多く、リフレッシュの時間に充てます。
【午後】
- 13:00 – 14:30 |サイト作成やコンテンツのアップロードなどの作業をします。ここまででいわゆる仕事は終わりにすることが多いです。
- 14:30 – 15:00 | 休憩:ストレッチや軽い休憩で頭をリセットします。
- 15:00 – 16:00 |アイデア出し:次のコンテンツアイデアを出したり、プロジェクトの進め方を考えたりします。作業系は午前中でほぼ終えているので、仕事というより楽しい時間です。
- 16:00 – 16:15|ビジネスチャット・メール対応:午前中に届いたビジネスチャットやメールをごく簡単にチェックします。緊急なものや、即レス可能なものは対応します。
- 16:15 – 16:30 | 1日の振り返り・明日の準備:今日の進捗を振り返り、タスクの進行状況をチェックします。明日のスケジュールやタスクを整理し、計画を立てて終わります。
方法2: 朝のルーチンで生産性を最大化
朝の過ごし方が1日の効率に大きな影響を与えます。特に、集中力を高めるためには朝の時間を有効に使うことが大切です。
生産性が高まるおすすめのモーニングルーチン
以下に、集中力を高めるためのモーニングルーチンをいくつか紹介します。
【瞑想】
朝の瞑想は心を落ち着け、1日のスタートを穏やかにするための有効な方法です。深い呼吸を意識し、思考を整理することで、余計なストレスを減らし、仕事に集中しやすくなります。実践方法は、静かな場所で目を閉じ、数分間の深呼吸を行い、心を整えます。

瞑想と聞くとハードルが高いと感じる方がいるかもしれませんが、その場合はヨガがおすすめです。わたしもヨガのポーズをやるようにしていますが、同じように心を落ち着ける効果がありますよ。
【軽い運動】
朝に体を動かすことで血流が促進され、頭も体も目覚めます。ストレッチや簡単な筋トレを取り入れると、体が動き出し、集中力もアップします。わたしはラジオ体操をやっています。
【日記】
朝の時間を使って日記を書くことで、目標を整理できます。日記というより目標ノートのようなものですが、自分の思考を明確にし、1日をポジティブな気持ちでスタートできます。今日の目標や意気込みなどを書き出してみましょう。
【栄養価の高い朝食】
集中力を維持するためには、栄養価の高い食べ物を摂ることもおすすめです。わたしはナッツが定番ですが、ヨーグルトやゆで卵なども手軽に食べられる朝食ですね。
朝の生産性を上げるためのポイント
朝の生産性を上げるには、朝の時間を「最も集中できる時間」として活用することがポイントです。朝は、脳が一番スッキリしている時間帯です。集中力が高いこの時間を活用して、クリエイティブな仕事や重要なタスクをこなすことができます。
朝には「1日の最重要タスク」を最初にやるのがおすすめです。朝のうちに最も重要なタスクを終わらせることで、その後の仕事に対する安心感と達成感を得ることができます。特に大事な仕事を最初に済ませることで、午後からの作業効率も上がります。
朝型の働き方を目指すための第一歩は、早寝早起きを習慣化することです。毎日一定の時間に寝て、一定の時間に起きることで、体内時計を整え、自然と朝の時間に活力を感じるようになります。ポイントは夜の過ごし方です。スマホやPCの画面から離れて、寝室を静かな空間にすることで、より早く寝ることができます。目標は毎晩7〜8時間の睡眠を確保することです。
方法3: 小さなタスクを積み重ねて大きな成果を出す
大きなプロジェクトをひとつの大きなタスクとして捉えるのではなく、いくつかの小さなタスクに分けて進めることが重要です。たとえば、ウェブサイトの構築を「デザイン作成」「記事制作」「サイト構築」などに分けて、それぞれを順番に進めていきます。
ポモドーロテクニックを活用して集中力を高める
ポモドーロテクニックとは、25分の集中時間と5分の休憩を交互に取る手法です。ポモドーロ・テクニックが集中力を高める理由は、「集中」と「休憩」のサイクルを意図的に作ることで、脳の疲労を防ぎ、集中力の持続を助けるからです。
また、「25分だけやればいい」と考えることで、心理的ハードルが下がり、取りかかりやすくなるため、やる気が出ないときにもおすすめです。
スモールウィンを積み重ねる
スモールウィンというのは、小さな成功体験のことです。大きな目標を達成するために、小さなステップや成果を積み重ねていく考え方です。
スモールウィンを意識すると、小さなタスクをクリアするごとに達成感を感じ、次のタスクへ進むエネルギーを得られます。これがモチベーションを維持するために非常に重要で、「できた!」という体験を重ねることで、やる気が自然と湧いてきます。
また、ハードルの低いタスクなので、先延ばししにくく、続ける力になります。「何をやってもうまくいかない……」と落ち込んでいるときでも、小さな達成感が気持ちを切り替えるきっかけになります。
方法4: 休憩とリフレッシュを意識的に取る
フリーランスは「自分で休憩を取る」という意識をもたないと仕事が過密になりがちです。休憩のタイミングを自分で決めることができますが、逆に「休憩を取らない」という選択をしてしまうことが多々あります。
しかし、定期的な休憩を取ることが、生産性を上げるためには不可欠です。仕事と休憩のメリハリをつけることで、集中力が持続し、効率的に作業を進められます。
休憩時間を意識的に取る方法と注意点
休憩の取り方は先述したポモドーロテクニックのほかにも、30分ごとに短い休憩を取ることや、リフレッシュタイムを設けることなども効果的です。アラームをかけておくとこまめに休憩を取ることができます。
また、休憩中は「脳を休ませる」ことを意識しましょう。休憩中にずっとスマホを見続けると脳の疲れが取れないので、休憩の効果が低下します。軽いストレッチや深呼吸など、脳と体が休まる行動を取りましょう。
方法5: 仕事の環境を整える
「どこで、どのように作業するか」は生産性に直結します。物理的にもデジタル的にも、環境が整っていないと、気づかないうちに思考が妨げられ、集中力が低下します。
たとえば長時間のデスクワークでは、姿勢の悪さが疲労や集中力低下の原因になります。体に合ったデスクや椅子は集中できる時間を伸ばすための投資です。
また、不要な物が目に入るだけで、脳のリソースが奪われます。「机の上は今取り組むものだけ」にすることで、集中できる状態を保てます。
デジタル環境も整えるだけで時短&ストレス軽減につながります。たとえば動作の遅いPCや整理されていないデスクトップは無駄な時間を生みます。1秒のラグも1日では何分、1年では何時間にもなります。ツールの立ち上げや検索でいちいち迷うのは、気づかぬ無駄時間です。
自分に合った作業環境を整えるための具体的なステップ
作業環境を整えたいけれど、何から始めればよいのかわからない方は、以下のステップで進めましょう。
- 不要なものを見えない場所に片付ける(物理環境):机の上は今日使うものだけにして、書類はファイルボックスへ片付けましょう。
- 快適な椅子とデスクの高さを見直す(身体感覚):長く座っても疲れにくい椅子や、自分の身長に合ったデスクの高さは、集中時間を伸ばすための土台です。クッションやフットレストもおすすめです。
- 自分が落ち着ける音・光・温度を整える(感覚環境):五感を整えると、それだけで作業効率がグッと上がります。照明は電球色か自然光がおすすめです。静かな空間なのかカフェ風BGMをかけるのかなど、自分に合う音を選びましょう。エアコンや加湿器で快適な温湿度を保つことも大切です。
- デジタル環境を「迷わない状態」にする:デスクトップにフォルダを分類します(仕事用・プライベート用など)。アプリやツールはランチャーにまとめておく、PCやスマホの通知をOFFにして集中モードへ切り替えるなどの工夫も必要です。

少し感覚的な話ですが、自分の作業空間を「好きな空間」にすることも大切です。観葉植物を置く、お気に入りのマグカップを使うなど、「この場所好きだな」と思える空間は、自然とやる気も引き出してくれます。
方法6: 自己評価と反省の時間を持つ
自己評価は、自分がどれだけ効率的に働けたかを振り返り、今後の改善点を洗い出すための大切なプロセスです。
週単位で振り返りを行い、仕事の進捗や気になる点をチェックします。週単位で振り返ることの最大のメリットは、「短期的な調整」を可能にする点です。月単位や年単位の振り返りでは、改善策が遅れがちですが、週単位であれば改善のスピードが格段に早くなります。
振り返りの方法
まず、週の初めに設定した目標と実際の結果を比較します。これにより、何がうまくいったのか、何が改善が必要なのかを把握できます。たとえば「プロジェクトの進捗を80%まで進める」という目標に対して、実績が50%だった場合、なぜ達成できなかったのか、時間配分の見直しが必要か、予期しなかった問題が発生したかなどを振り返りましょう。
次に、自分が一番時間を費やした作業をリストアップします。それが本当に重要だったのか、無駄に時間をかけていた部分があったのかを見極めます。これにより、効率が下がった原因を明確にし、次の週に向けて改善策を立てることができます。
最後に、気になる点や改善すべき点を洗い出します。今週の仕事の中で「ここがうまくいかなかった」「ストレスを感じた」「モチベーションが下がった」と感じた瞬間を振り返り、その原因を探ります。たとえばモチベーションが下がったのは、自分の好きな仕事に取り組む時間が少なかったことが原因なら、来週は、好きな業務にもう少し時間を割けるように工夫します。
改善策の立て方
振り返りの結果を元に、次の週に向けて改善策を立てます。ここで大切なのは具体的なアクションプランを作ることです。たとえば「ミーティング時間を30分短縮する」とか、「毎日、午前中に最も難しいタスクを終わらせる」など、次の週に実行可能な具体的な行動に落とし込みます。
1週間の終わりに振り返りを行ったら、次の週にその改善策が実行できたかを確認します。週単位で進捗を確認することで、少しずつ効率化のスピードが加速し、よりよい自分の働き方が見えてきます。
まとめ:自由な働き方を実現するために
自由な働き方を追求する中で、生産性を向上させることは不可欠です。生産性を高めることで、もっと自由に時間を使えるようになり、フリーランスとしての仕事もより充実したものになります。自己管理能力を高め、効率よく働くことで、自由なライフスタイルを手に入れることが可能です。