通勤時間をムダにしない!限られた時間を活かして労働時間を減らす方法

習慣

忙しい毎日の中で、あと1時間欲しいと感じたことはありませんか?実は、「あと1時間」を生み出すヒントは通勤時間の使い方にあります。通勤時間をどう活用するかで、1日の効率や残業時間に大きな差がでてきます。本記事では、通勤時間の現状と課題からその時間を最大限に活かす方法まで解説します。

通勤時間の現状と課題

まずは、日本の通勤時間の実態と、その中に潜む課題を見ていきましょう。

日本の平均通勤時間は1時間19分

総務省統計局の令和3年社会生活基本調査によると、日本の通勤時間の平均は1時間19分でした。地域差もあり、最も長いのが神奈川県の1時間40分、次に長いのが東京都と千葉県の1時間35分です。最も短いのが山形県と宮崎県の56分でした。

総務省統計局|令和3年社会生活基本調査

通勤時間が1時間19分で通勤日数が255日だった場合(年間休日110日)、年間で約366時間を通勤に費やしていることになります。

満員電車・渋滞などでストレスが溜まる

国土交通省の発表によると、令和5年度に実施した三大都市圏の平均混雑率(最混雑時間帯1時間の平均)は、東京圏が136%、大阪圏が115%、名古屋圏が123%です。満員電車でストレスを感じやすいことは言うまでもありません。

なお、日々の混雑率が100%は定員乗車のことで、座席に座るまたはつり革、ドアの柱につかまれる状態を指します。150%になると人と人の肩が触れあうくらいの混み具合です。

国土交通省|三大都市圏の平均混雑率が増加~都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和5年度実績)~

一般社団法人日本民営鉄道協会|混雑率

地方を中心に車通勤でも肉体的・精神的なストレスを感じることが多々あります。特に出勤時間帯は渋滞に巻き込まれやすく、大きな時間のロスになります。こうした状況は、仕事の集中力や効率にも影響を与えます。

通勤時間をスマホやSNS閲覧で終わらせてしまう人が多い

通勤中、何となくスマホでSNSをチェックしたりゲームをしたりしている方は多いのではないでしょうか。気づけば駅についていて、「今日も結局何もできなかった」と後悔することもあるかもしれません。目的を持たない時間の使い方は、積み重なると大きなムダになります。

通勤時間の活用法

では、通勤時間を「ムダな時間」ではなく、「価値ある時間」に変えるにはどうすればよいのでしょうか。活用法を紹介します。

仕事の効率を上げる活用法

通勤中は、限られた時間をどう活用するかがポイントです。

たとえば、その日のToDoリストを整理することで、出社後にどのタスクから手をつけるべきかが明確になります。タスクを細かく分類したり、優先順位をつけたりすることで、効率的に仕事を進める準備ができます。スマホのタスク管理アプリやメモアプリを活用すれば、通勤中でもサクッとタスクを整理でき、出社後すぐに仕事に取り掛かることができます。

また、通勤中に業界ニュースをチェックするのもよい活用法です。最新のトレンドや自分の業界に関連するニュースを読むことで、社内や取引先との会話にも役立つ情報を仕入れることができます。特に、仕事に関する情報を通勤中にキャッチアップしておくと、その日の業務にスムーズに対応できるため、時間を無駄にすることがありません。

自己成長のための活用法

語学学習や資格取得の勉強など、自己投資の時間としても通勤時間は最適です。通勤中に本を読むのが難しい人には、オーディオブックや学習系アプリの活用が適しています。毎日の積み重ねが大きな成果につながります。

前述のとおり、通勤時間の平均は1時間19分、年間で約366時間です。だいたい300時間くらいで取得できる資格には、たとえば以下のようなものがあります。

  • 日商簿記検定2級
  • FP2級
  • インテリアコーディネーター
  • 管理業務主任者試験

人材市場価値の向上という観点から、それなりに価値のある資格が取れそうなのではないでしょうか。市場価値が上がれば、同じ労働時間でも単価の高い仕事に就けたり、労働環境のよい職場へ転職できたりする可能性が高まります。

あんず
あんず

私は車通勤だったとき、資格の講義を聴いていました。普段は机でテキストや問題集と向き合いますが、耳から知識を得るという違うアプローチも有益です。

リフレッシュや心身の整えに使う方法

朝の時間は、ただの移動時間ではなく、心を整える貴重な時間としても活用できます。忙しい一日の始まりに、心の余裕をもってスタートできるかどうかは、その後の仕事や日常生活のクオリティにも大きな影響を与えます。

たとえば、通勤中にお気に入りの音楽やポッドキャストを聴くことで、気持ちを前向きに切り替えることができます。心地よい音楽はストレスを軽減し、リラックスした状態を作り出します。ポッドキャストで新しい情報を得たり興味のあるトピックについて学んだりすることで、通勤時間を有意義に過ごせるだけでなく、自分の知識や視野も広げることができます。

通勤時間そのものを減らす工夫も大切

通勤時間を活用するだけでなく、「そもそも通勤しない」「通勤時間を短縮する」という選択肢もあります。

テレワークを活用する

一部では出社回帰の流れが進んではいますが、今や多くの企業でテレワークの仕組みが導入され、週に数日の在宅勤務は可能なケースが多くあります。テレワークの生産性については賛否がありますが、通勤が不要というメリットはやはり見逃せません。通勤時間の1時間19分に加え、通勤・出社のための身支度の時間も削減できます。

先に紹介した社会生活基本調査でも、テレワーク(在宅勤務)をしていた人は、していない人に比べて睡眠時間が18分、趣味・娯楽の時間が16分、仕事時間が13分それぞれ長いことがわかっています。つまり通勤時間を削減することで、睡眠や自分の好きなこと、仕事に費やす時間を増やせるわけです。

国土交通省|三大都市圏の平均混雑率が増加~都市鉄道の混雑率調査結果を公表(令和5年度実績)~

オンライン会議やクラウドツールを活用して出社日を減らす

最近では、オンライン会議やクラウドツールの活用により、物理的な出社の必要性がますます減少しています。完全テレワークでなくても、出社日を減らすだけでも時間の効率は上がります。

たとえばZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議ツールを使えば、対面でのミーティングが不要になり、移動時間を削減できます。また、これらのツールはチャット機能や画面共有機能もあるので、リアルタイムでの協力や情報共有が容易です。出社しなくても、チームメンバーやクライアントとスムーズにコミュニケーションを取ることができ、業務の効率化が進みます。

また、クラウドストレージやドキュメント管理ツールを活用することで、資料やデータの管理が簡便になり、物理的にオフィスにいなくても業務を進められます。出社して紙の資料を確認したり、手書きでメモを取ったりする時間が不要になり、オフィスにいるときと同じように迅速に業務を進めることが可能です。

フレックスや時差出勤を活用し、快適な通勤時間を確保

混雑した電車やバスでの通勤は、心身にかなりのストレスを与え、1日のスタート時から疲れやイライラが募る原因となります。

しかし、フレックスタイムや時差出勤などの制度をうまく活用すれば、ピーク時間を外して比較的空いている時間帯に通勤できるため、通勤のストレスを大幅に減らすことができます。ストレスが軽減されれば出勤後の集中力やモチベーションも高まりやすいため、残業の削減にもつながります。

もし勤め先にこうした制度がある場合は、積極的に活用することをおすすめします。

通勤時間をムダにしないためのポイント

最後に、通勤時間を本当に価値ある時間にするための実践的なポイントをご紹介します。

目的を持って通勤時間を使う

通勤時間をなんとなく過ごすのではなく、「この時間で何をするのか」を明確にするだけで、通勤時間の質は大きく変わります。朝は情報収集、帰りはリラックスといったように、時間帯ごとに目的を決めておくとよいでしょう。

無理に詰め込みすぎず、心身の負担を考える

通勤時間をすべて学習や仕事の準備に充てる必要はありません。心身が疲れていて、通勤時間には何もしたくないこともあるでしょう。そんなときには、何もしない空白の時間が心の回復に役立つこともあります。「頑張る日」と「休む日」を上手に使い分けることが大切です。

通勤時間を減らす選択肢も考える

通勤時間をいかに活用するかも重要ですが、やはり「そもそも減らす」選択肢は見逃せません。先に挙げたテレワークの活用のほか、通勤距離が短い職場への転職や、自宅の引っ越しなども選択肢に入ります。ライフスタイル全体を見直すことで、より自由な時間が手に入ります。

まとめ

通勤時間は、日々の積み重ねで膨大な時間になります。大切なのは、その時間をなんとなく過ごさないことです。限られた時間をどう使うかが、働き方と生活の質を左右します。ぜひ自分に合った工夫を見つけ、残業の少ない、より効率的な働き方を目指してみてください。

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