バレットジャーナルは、シンプルながら自由度が高く、仕事やプライベートの管理に最適な手帳術です。
しかし「始めてみたいけど何から手をつければいいかわからない」「続けられるか不安」と感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、バレットジャーナルの基本構成からラピッドロギングの使い方、初心者が続けるためのコツや失敗しやすいポイントと対策まで解説します。

この記事はこんな方におすすめです。
- バレットジャーナルをこれから始めたい初心者の方
- 効率的に記録やタスク管理をしたいと考えている方
- 自分に合ったノートや道具の選び方を知りたい方
バレットジャーナルとは
バレットジャーナルはアメリカのライダー・キャロル氏が考案した手帳術です。
従来のスケジュール帳のように決まったフォーマットがあるわけではなく、ノートに自分で必要なページや記録を作っていきます。
シンプルな箇条書きと記号を使って、やることや予定、メモを管理するため、使う人のライフスタイルや目的に合わせて柔軟に変えられるのが大きな魅力です。
そのため、手帳やタスク管理が続かない、自分に合った管理方法がわからないという人でも気軽に始めやすい方法として人気が高まっています。
バレットジャーナルの基本構成
バレットジャーナルは自由にカスタマイズできる手帳術ですが、基本構成があります。
基本の構成を理解しておくことで、自分の生活や目的に合わせたページを作りやすくなり、効率的な運用が可能です。
代表的な構成要素はインデックス、フューチャーログ、マンスリーログ、デイリーログの4つです。
インデックス(目次)
インデックスは目次です。バレットジャーナル内のページを探しやすくするために使います。
インデックスがあることで後から特定のページを簡単に見つけられるため、情報が増えても混乱しにくくなります。
また、新しいページを追加した際にはインデックスに記録する習慣をつけると管理が楽になります。
フューチャーログ(年間予定)

フューチャーログは年間の予定やイベントをまとめて書くページです。
1年分の大きな予定を俯瞰できるため、長期的なスケジュール管理に役立ちます。
たとえば誕生日や旅行、仕事の締め切りなど先の予定を記録しておきます。
フューチャーログは1ページまたは数ページにわたって作り、月ごとに分けて記入するのが一般的です。
月単位のマンスリーログよりも先の予定を管理するため、早めの予定把握や準備が可能になり、忙しい日常でも大事な予定を見落とさずに済みます。
フューチャーログは年の初めに作成することが多いですが、厳格なルールはないので、途中から追加してもかまいません。
マンスリーログ(月間予定)

マンスリーログは1か月のスケジュールやタスクをまとめるページです。
一般的には、左側にカレンダーまたはカレンダー形式で日付を書き、右側にその月の予定や重要なタスクを記録します。
フューチャーログで管理している年間予定から、このマンスリーログに具体的な予定を落とし込むこともあります。
マンスリーログは月ごとの目標設定や振り返りにも使えるため、計画的に過ごすのに役立ちます。
月末に次の月のマンスリーログを準備し、前月の達成状況を確認すると習慣化しやすくなります。
スケジュール管理だけでなく、タスク管理や体調管理などにも活用できます。
デイリーログ(1日単位の記録)

デイリーログは日ごとの詳細な記録を行うページです。
タスク、予定、メモなどを箇条書き形式で書き込み、その日の行動を管理します。
毎日新しいページを作成し、その日やることや起きた出来事を書き留めることで、細かな管理が可能です。
デイリーログは日々の振り返りや反省、気づきを記録するのにも適しています。

続けることで日常の小さな変化にも気づきやすくなり、自己管理力が向上します。
バレットジャーナルの肝「ラピッドロギング」
バレットジャーナルの特徴的な機能がラピッドロギングと呼ばれる記録方法です。
これは箇条書きを使って素早く情報を書き留める手法で、頭の中の思考をそのまま書き出すことができます。
文章を長く書く必要はなく、短いフレーズや単語で記録するため時間をかけずに情報をまとめられます。
このシンプルな記録方法によって、日々のタスクやメモ、予定を効率的に管理できるようになります。
箇条書きで記録する独自の記法
ラピッド・ロギングは箇条書きを使い、素早く簡潔に情報を記録します。
長文を書く必要がなく、必要な情報を短くまとめることがポイントです。
たとえば「会議資料作成」「買い物リスト」など、その時に思い浮かんだことを短い言葉で書き留めます。
情報を書きながら整理も同時に行うことができ、考えを明確にする効果があります。書いた内容は後で見返しやすく、処理の優先順位をつけやすくなります。
ラピッドロギングは思考を見える化する効果もあり、、効率的に頭の中を整理できます。
習慣化することで、タスク管理や日々の記録が自然とスムーズに行えるようになります。
4つの記号を使い分ける
ラピッド・ロギングでは、情報を効率的に分類するために記号を使います。これにより、記録が見やすくなり、後で必要な情報を探す手間が大幅に減ります。
記号はシンプルで直感的なので、誰でもすぐに使いこなせるのが特徴です。
基本の4つの記号は以下のとおりです。
- Notes(–)メモや忘れたくないこと、アイデアの記録に使います。
- Actions(•)やること、タスク、ToDoリストを示します。
- Mood(=)気分や感情、感覚の記録に用います。
- Events(o)起きた出来事や予定を書き留めます。
これらを使い分けることで、情報の種類ごとに整理ができ、見返したときにも内容がすぐに把握できます。
応用編:自分だけの記号を追加する
バレットジャーナルは自由にカスタマイズできるため、基本の4つの記号に加えて自分だけの記号を追加して使うことも可能です。
自分の生活や仕事に合わせて記号を増やすことで、さらに管理がしやすくなります。
ただし、記号を増やしすぎると混乱しやすいため、2~3個までに絞るのがおすすめです。
代表的な追加記号の例は以下の通りです。
- 「!」重要なタスクや期限が迫った予定を示します。
- 「?」調べるべきことや疑問点の記録に適しています。
- 「★」目標や長期的な計画を表します。
- 「✅」完了したタスクを明確にします。
- 「💡」アイデアやひらめきを示します。
これらをうまく活用して、自分だけの管理ルールを作り上げてください。
なぜ効率化に向いているのか
ラピッドロギングが効率化に向いている理由は、情報を書き出すと同時に分類できるためです。
記号を使って瞬時にタスクやメモ、感情などを区別でき、後から見返したときにすぐに内容を理解できます。
また、長文を書かず短いフレーズで記録することで、書く時間を大幅に短縮できます。
これにより頭の中の混乱を減らし、考える時間を節約できます。
さらに、感情の記録を含めることで自己管理がしやすくなり、ストレスやモチベーションの変化にも気づきやすくなります。
バレットジャーナルに必要な道具とノートの選び方
バレットジャーナルを始めるのに高価なものをそろえる必要はありませんが、自分のライフスタイルや目的に合った道具を選ぶことが重要です。
以下では、市販ノート、100均や低コストのアイテム、そしてオリジナルデザインを使う場合の特徴や選び方を紹介します。
市販ノートを使う場合
市販ノートはさまざまな種類があり、耐久性やデザイン性に優れているものも多くあります。
バレットジャーナルとして使うなら、方眼やドット方眼タイプが自由に書き込みやすいのでおすすめです。
バレットジャーナル向けに作られた市販ノートもあり、紙質やページのレイアウトが書きやすさに配慮されています。
ノートのサイズや厚みもさまざまなので、持ち運びや使い勝手を考慮して選びましょう。
また、書き心地を左右するペンとの相性もポイントです。予算に余裕がある場合は、自分の好みに合うノートと筆記具を組み合わせることでモチベーションを高められます。
100均・低コストで始める場合
初めてバレットジャーナルを試す場合や気軽に始めたい人には、100均などで購入できる低価格のノートがおすすめです。
紙質や耐久性は一般的なノートに劣ることもありますが、練習用やお試し用として十分なクオリティがあります。
文具類も同様に安価なものがそろっているため、コストを抑えつつ始められます。
気軽に試せることで続けやすく、合わなければ別のノートに変更するハードルも低いのがメリットです。

まずは手近な道具で慣れてから、必要に応じてグレードアップしてもいいですね。
オリジナルデザインを使う場合
Canvaなどのデザインツールを使って、自分だけのオリジナルバレットジャーナルページを作成し、印刷して使う方法もあります。
必要なページだけを効率的に準備できてエコですし、余計なページに時間を使わずに済みます。
自分好みのデザインにできるため、モチベーションが上がりやすいのもメリットです。
作成したテンプレートはPDFで保存し、家庭用プリンターやコンビニ、印刷サービスなどで印刷して使います。
近年はminnneやBASE、Etsy(海外サイト)といったプラットフォームで自作のバレットジャーナルテンプレートを販売している人もいます。
使う側としては、そのような商品の中から、オリジナリティある商品を選ぶ楽しさもあります。
初心者がバレットジャーナルを続けるコツ
バレットジャーナルは自由度が高く自分流にアレンジできるのが魅力ですが、続けられない人も少なくありません。
この章では、無理なく続けるためのポイントを紹介します。重要なのは記録を習慣化し、気軽に取り組むことです。
装飾より記録を優先する
バレットジャーナルの目的は、情報やタスクを効率的に管理することです。
美しい装飾やデザインに時間をかけすぎると、本来の目的からずれてしまい、続けにくくなります。
まずはシンプルに記録することを優先しましょう。短い文章や記号だけでも十分役立ちます。
慣れてきて余裕が出てから、少しずつ装飾を加えていくのがおすすめです。
シンプルな状態でも十分に効果を感じられるため、まずは記録の継続を最優先に考えてください。
まずは1週間だけ試す
長期間続けることを考えすぎると、プレッシャーを感じてしまいます。
そこで、まずは1週間だけ続けてみるという短期的な目標を立てましょう。
1週間なら負担も少なく、気軽に試せます。その間に自分に合う書き方や記録する内容、時間帯を見つけることが大切です。
もし違和感やストレスを感じたら、無理せず調整してください。1週間の経験を通じて、続けるコツや自分のペースを掴むことができます。
習慣化のために書く時間を決める
バレットジャーナルを習慣にするためには、毎日同じ時間帯に記録することが効果的です。
朝起きてすぐや寝る前、仕事の休憩時間など、自分の生活リズムに合った時間を選びましょう。
時間を決めることで記録を忘れにくくなり、自然と習慣化が進みます。
最初は5分程度の短い時間で構わないので、続けやすい負担の少ない範囲で行うことがポイントです。
続けるうちに記録内容も充実し、生活の一部として定着していきます。
バレットジャーナルのよくある失敗と対策
ここではバレットジャーナルを始めるときによくある失敗と対策を紹介します。
書き込みすぎて疲れる
バレットジャーナルは自由に書き込める分、つい細かく記録しすぎてしまい疲れてしまうことがあります。
すべてを書き込もうとすると時間がかかり、途中で続ける気力を失う原因になります。
こうした疲れを防ぐには、まずは必要最低限の情報に絞ることが重要です。
重要なタスクやメモだけを優先して記録し、細かすぎる内容は省きましょう。
また、記録にかける時間をあらかじめ決めておくのも効果的です。タイマーを使って5分程度と決めて書き込めば、ダラダラ長時間かけることを防げます。
目的を見失う
バレットジャーナルを続けるうちに、装飾やページのデザインに夢中になり、本来の目的を見失ってしまうことがあります。
手帳の目的はタスク管理や情報整理であるにもかかわらず、装飾や細かい作業に時間を割きすぎて疲弊することも少なくありません。
これを防ぐには、定期的に自分のバレットジャーナルの目的を振り返ることが必要です。何のために使っているのかを明確にすることで、迷ったときに軌道修正できます。
また、目的に合わないページや装飾は無理に増やさないことも重要です。

シンプルに必要な機能だけを残すことで、効率的に管理を続けられます。
まとめ
バレットジャーナルは自由度が高く、自分の生活や目的に合わせて柔軟にカスタマイズできる記録法です。
基本の構成やラピッドロギングだけ押さえ、シンプルに記録を続けるのが継続のポイントです。ノートや道具は自分の予算やスタイルに合わせて選び、無理なく始めましょう。
継続的に使いこなし、生活や仕事の質向上、効率化に役立ててください。