せっかくフリーランスになったのに、継続できず結局やめてしまう人は少なくありません。
実は、フリーランスとして継続的に仕事を得るために特別な才能や根性は必要ありません。必要なのは続けられる仕組みを作ることです。筆者もこのことに気付いてからは、週休3日・1日4時間程度の稼働でも安定して仕事を続けることができています。
この記事ではフリーランス歴10年以上の経験を踏まえ、フリーランスが仕事を継続するための具体的なコツをお伝えします。
この記事を読み終える頃には、無理せずフリーランスを続けて、安定収入を得る方法がしっかりわかるはずです。

この記事はこんな方におすすめです。
- フリーランスとして仕事が途切れがちで不安を感じている方
- 自分に合った無理のない働き方で安定収入を得たい方
- 営業が苦手だけど、継続して仕事を受け続ける方法を知りたい方
フリーランスを継続するのが難しい理由
フリーランスとして仕事を始めたものの、「思ったより続けるのが大変」と感じる方は多いのではないでしょうか。実際、フリーランスは自由な働き方が魅力である一方で、継続して安定した収入を得るにはいくつかの壁があります。
そこでこの章では、なぜフリーランスが継続しにくいのか、代表的な理由を紹介します。理由を知ることで、対策も立てやすくなるはずです。
収入が不安定になりやすい
フリーランスが継続する上で最大の課題が収入が不安定ということです。フリーランスは会社員と違って毎月決まった給料が振り込まれるわけではなく、自分で案件を取りに行く必要があるため不安定です。
特に始めたばかりの頃は、単発案件ばかりで翌月の予定が真っ白ということも普通です。わたし自身も最初はそんな状態で、自転車操業のような生活だと感じていました。
だからこそ、フリーランスとして長く続けるためには「どうやって安定させるか」を考えることが不可欠です。
営業が苦手で受け身になりがち
フリーランスが仕事を継続できない理由のひとつに、営業が苦手という点もあります。
もともと営業職などの方は問題ありませんが、わたしのように事務畑出身などの場合、自分から提案したり売り込んだりするのは精神的に負担が大きく、つい受け身になりがちです。
その結果、「誰かが声をかけてくれるのを待つ」状態になり、案件が途切れるリスクが高まります。
わたしも、「もしかしたら応募すれば受かるかもしれない案件」があっても、チャレンジすることが面倒で見送ることが続いていました。
しかし、こちらから提案するだけで継続案件になるケースが多いことに気づいてから改善できました。

営業が苦手と感じる人ほど、積極的に提案することで状況が好転することを知ってほしいです。
モチベーションが続かない
モチベーションが続かないことも、フリーランスが継続できない理由のひとつです。
フリーランスは自由度が高い反面、スケジュール管理や仕事の調整をすべて自分でやる必要があり、メイン業務に対するモチベーションが変動しがちです。
また、仕事に波があると忙しい時期とヒマな時期の差が激しく、それに振り回されて疲れてしまいます。
わたしも仕事が少ない時期に「自分は向いていないのでは」と悩んでモチベーションが下がることがありました。そんな日はやる気が出ずに1日中SNSを見てしまったものです。
フリーランスが継続的に仕事を得るための5つのコツ
フリーランスとして継続的に仕事を得るためには、ただ努力するだけでは不十分です。ポイントは「仕組み」を作り、無理なく続けられる働き方を整えることにあります。
ここでは、10年以上フリーランスを続けてきた経験から得た実践的な5つのコツを紹介します。
1.得意分野に絞って実績を作る
フリーランスとして仕事を継続するためには、得意分野に絞ることが重要です。
理由は、専門性がないとほかのフリーランスと差別化できず、案件を取りにくくなるからです。案件単価も上がらないので、薄利多売状態から抜け出せません。
初心者のうちはいろいろやってみることも大切ですが、その中から自分の強みを見つけて分野を絞っていくのがおすすめです。
資格や経験を軸に実績を積むことで、「この分野ならこの人」と覚えてもらいやすくなり、高単価の継続案件も受注できるようになりました。
狭く深く掘り下げることで専門性が高まり、自然とその分野の仕事が増えていきます。

まずは自分の強みを活かせる分野で勝負することが、安定したフリーランス生活の第一歩です。
2.定期案件を優先して受ける
フリーランスが安定して仕事を継続するためには「定期案件」を優先して受けるべきです。理由は明らかで、単発の仕事ばかり受けていると毎回営業し直さなければならず、消耗してしまうからです。
1件あたりの単価が高くても、安定性がないと精神的にも負担が大きくなります。一方、月に数万円でも継続案件を複数受注できると、精神的にかなり楽です。
定期案件があることで営業や応募にかける時間がなくなるため、時間的にも余裕ができ、新しい仕事にチャレンジする余力も生まれます。
3.時短・効率化で仕事量を調整する
フリーランスが長く続けるためには「時短・効率化」を徹底して仕事量を調整することも重要です。
理由は、効率を意識せず時間を切り売りして働き続けると疲れがたまり、仕事自体が嫌になってしまうからです。「とにかくたくさん働けば稼げる」と思っていても、それでは長続きしません。
【時短・効率化の例】
- よく使う資料はテンプレートを作る→ゼロからの作業を減らす
- 文章作成は構成→見出し→本文の流れで作業して効率化する など
効率化を意識するだけで、限られた時間でも成果を出せるようになります。

わたしはひたすら効率化して仕事量を調整し、1日4時間、長くても6時間以内に仕事は終わらせるようにしています。残りの時間は勉強やリフレッシュのための時間です。
「1日たったの4時間で仕事が終わるの?」と思った方は以下の記事もご覧ください。
4.「ゆるく続ける」のが一番強い
フリーランスとして継続するためには「ゆるく続ける」のが効果的です。無理して頑張りすぎると疲弊してしまい、途中で嫌になるからです。短期的にはがんばって成果を出しても、燃え尽きてしまえば意味がありません。
わたしもフリーランスになって最初の頃は、フルパワーで頑張る→疲れる→休む→また頑張るの繰り返しで苦しんだ経験があります。しかしこれでは、長時間労働でボロボロになっていた会社員時代と何も変わらないと気付きました。
そこで、先述した効率化を意識しつつ、しっかり休むリズムを作ることで、心身ともに余裕が生まれました。
フリーランスこそ、頑張りすぎない勇気を持つことが継続するためのカギを握ります。
5.つながりを増やす(紹介で仕事を得る)
フリーランスとして安定的に仕事を続けるためには、つながりを増やすことも重要です。
新規営業だけに頼るよりも、紹介経由での仕事のほうが信頼性も高く受注しやすいです。
既存クライアントや知人からの紹介は、単価が高めに設定されるケースも多く、効率よく稼ぎやすいメリットもあります。
たとえばわたしの場合、以前担当したクライアントからの評判がよかったことで、以下のようなご縁が広がりました。
- 担当した企業の別部署からも「ぜひ仕事をお願いしたい」と依頼があった
- 法律系事務所の記事で実績が認められ、他の事務所からも紹介案件をいただけた
ほかにも、社労士受験生時代の友人で士業をやっている方から、事務所ホームページのコンテンツ作成の依頼を受けたこともあります。
このように、質の高い仕事を積み重ねることで自然と紹介が増え、継続的な仕事につながっています。人脈が広がると新しいジャンルや案件にもチャレンジしやすくなります。

一人だけで頑張ろうとせず、人とのつながりを増やしておくことも、継続の強い味方になります。
実際にフリーランスを10年続けて感じたこと
ここからは、私自身が10年以上フリーランスとして活動してきて感じたことを紹介します。実体験ベースだからこそわかった、「続けるために本当に大事なこと」をお伝えします。
継続できたのは「効率化」と「頑張りすぎなかった」こと
フリーランスを続けてこられた最大の理由は、「効率化」と「頑張りすぎなかった」ことに尽きます。
最初の頃はとにかく長時間働いてしまい、疲れて仕事が嫌になる時期もありましたが、1日4時間労働を意識しはじめてから精神的にも余裕が出てきました。
1日4時間労働を意識したのは、「そもそも人間って8時間も働くの無理じゃない?」「8時間も集中している人あまりいなくない?」という疑問が湧いたからです。その疑問を突き詰めた結果、4~6時間労働で十分という結論にたどりつきました。
また、ルーティン化できる仕事はどんどん効率化して、作業時間を短縮していきました。短時間で終わらせる工夫が積み重なることで、疲労もたまりにくくなります。
結果として仕事を嫌になることが少なくなり、自然と続けられる状態が作れました。

継続のポイントは、毎日フルパワーでやるのではなく、毎日ほどほどにやることです。
仕事の幅を広げなくても「深める」ことで安定する
フリーランスとして安定したい場合、幅を広げるより、深めるほうが効果的です。あれこれ新しいジャンルに手を出すと、どれも中途半端になりがちです。
私自身も途中で方向性がブレていた時期がありましたが、得意分野を深めると決めてから状況が好転しました。深めることで専門性が高まり、単価も上がっていきました。
また、紹介やリピート案件も増えやすくなり、安定感が出てきました。
狭く深くやることで「この分野といえばこの人」と覚えてもらえるのが大きなメリットです。迷ったときこそ深める選択をすることをおすすめします。
まとめ
フリーランスとして継続するためには、得意分野に絞る、定期案件を優先する、時短・効率化を工夫するといった視点が大切です。人脈や紹介も活用しながら、ゆるく続けましょう。
続けるコツは、努力や根性ではなく創意工夫です。無理はしないでほどほどに取り組むことで、心身の健康を保ちながらフリーランスを長く続けられます。